慢性的な不況の中、腐ってゆくのはゴミだけなのか?そして、その最低、最悪な状況に立ち向かう力は何処に向かう?ROTとRIOTの曖昧な表現はどちらにも転ぶ不安定な時代と思春期の揺れ動く感情、そしてそんな中に生まれたストリートカルチャーも表現した。”I(愛/哀)"に流れる血は何を意味するのか? 縦の時間軸はそんな時代の狭間に生まれた、創世記のTEDDY BOYSからSIDの命日に行なわれたキングスロードのデスパレード。そして、その下に配置された1977年のロンドンの不況時にストによって回収されず積み上げられたゴミ屑の山。どうにもならないやり場の無い気持ちは最悪の状況下、新たな突破口と方向性を導きだす。横の時間軸はグラデーションにより移り変る時代と感情/感性を表現。下衆なアウトサイダーとは裏腹な色彩効果は意図せぬイメージをも引き出す事になる。発表当時、デザインパンクと言う表現方法は少なくなっていてTシャツをキャンバスにアプローチされている作品は反戦、反核に関わるものがあるぐらいで、メッセージ性のあるデザインはほぼ皆無の状態だった。70年代から80年代に盛んだったTシャツデザインによるアプローチや自己主張も、時間の経過により単なるデザイン、ファッションにしかなり得ない時代になってしまった。これも時の流れと理解して受け入れては入るが、1%13は、その時代の流れ警鐘を鳴らし、更にカーナビーストリーとにあったお土産屋に並ぶようなチープでポップなデザインに思いを込め、誰に理解される事も望まずこの時代に発信する。メッセージ性の強いバンドTはパンクTで現在でも確認されているが、単独でアプローチする輩は存在しない。オレ個人の視野でしかないのだが反戦、反核T以外では90年代初頭にDEAD ENDがデザインTとして強くメッセージを込めた作品をドロップしてからは存在していないように思われる。これはデザインパンクなのだ。
実際バンドTではないので現代人の思考においてはデザインのみで購入するしか判断材料が無く、非常に難解な作品だったと思われるが、アーミーシャツやワークシャツ、Gジャン、革ジャン等のレベルウエアとの相性が良く、ちらりと見える様が、非常にパンクな感覚である。全てにおいて手作業でプリントされており、配色も厳選されたカラーである。まだウエアレーベルとして余力が無く、多くのテスト刷りが出来なかった時期の作品でもある。
オレンジ/ピンクとグリーン/ライムの相反する2種類の配色が完成型としてリリースされており、カラーテストとしてパープル/レッドが存在する。
2009年、最初期の作品である。