事の発端はアンテナの高いSLANGのKOちゃんから、SLANG / ENTのSPLIT EPのデザインの製作依頼を受けた所からだった。20代前半、汚らしく下品でハードコアな感触が居心地が良く、どっぷり浸かったUK HARDCORE~PRE CRUST。E.N.Tは今でもオレの大好きなバンドのうちのひとつだ。
PHILと連絡を取り合う事をきっかけにスタートした完全オリジナルのENTデザイン。DISCHARGEと同じように力が入るのと同時に、物凄く好きだったバンドのデザインをする事への大きなプレッシャーに悩まされた。自分以外にENTを敬愛する人達は世界中にもの凄く沢山いる訳で、それらの人間に対しても納得してもらえるような図案を考えなければならなかった為である。何度もPHILと連絡を取り合い、こちらからのデザイン提示の中からENT側の希望も盛り込みながら慎重に仕上げて行った作品である。もちろん製作中のBGMはENT ONLY。構築してゆくデザインがそのサウンドにしっかりハマるよう爆音で聞き続けた。LOGO は一見オリジナルのように見えるが1%13による書き下ろし。同じようでそうでないモノに仕上げた。1%13は誰も見向きもしない所にも120%のエネルギーを全力で注ぐ。
カラーパターンは正統派の赤ロゴと、ENTとしては珍しい選色のグリーンロゴ、そしてサウンドの金属的雰囲気をイメージしたシルバーラメ。当初は金属の粉をインクに混ぜて刷ろうと考えたのだが、明らかに不可能すぎたのでアイデアのみで終わってしまった。
未だ終わりが見えない、悲劇の現実を題材にしたデザインである。