オレがDISCHARGE に傾倒し続けていたのは周知の事実ではあるが、ガキの頃から密かに憧れていたのはGBHだった。周りの人間がマイナー、末端、最新系に命をかけている頃、新譜が出るたび心を踊らせていた。15際の頃、田舎ではsex pistols、スターリン、アナーキーを聞くのが精一杯のパンクで、まだUKハードコアは未知の領域だった時期があった。シンコーミュージックから出版されていたミュージックライフについてくるロック座やブラックの折り込みカタログを穴が開くぐらい見倒し、GBHのスパイキーヘアとEXPLOITEDのモヒカンが、オレにはひときわカッコ良くに目に映っていた。16歳でオリジナルバンドを結成し、最初に手本にしたのがGBH。DISCHARGE は同じ時期、同様にフェイバリットバンドだったのだが、ロカビリーあがりのオレにはR&Rのグルーブはどうしても捨てきれない物があったのだ。17歳の夏、初めてGBHの7inchを名古屋のスウィンドルで購入(確かFLUX OF PINK INDIANSの2nd LPも同時購入)革ジャンには京都DEAD ENDで買ったGBHのバッチが2種類ついていて、ダブっていると先輩に笑われた記憶ががある。いったい何が悪いんだ!!!!
"BELLEND BOP" は1st LP " city baby attacked by rats "のB面最後の曲で初期GBHの中でも個人的に最もロックンロールを感じる楽曲である。ラフでドライブ感のある3コードサウンドは30年経った今でも全く色褪せる事は無く、思わずアクセルを踏んでしまうような雰囲気だ。また今回のリリースは数多くあるGBHのデザインのなかでも異色の方向性を持ったデザインで、高濃度にクロスオーバーされたパンクとロックンロールを現代に召還しオリジナルマテリアルから新しいデザインを組み直し、最新デザインとして製作された。この趣旨はGBH側にも認証されており、今までにこのような視点での発表は皆無であったと思われる。そして2012年、バーミンガムから遠く離れた極東の果て、日本から突然のリリースを行なう。
製作にあたって、数パターンのテストプリントを行なったのだが、1%13が得意とする水性顔料インク+αの着地が上手くいかず苦戦を強いられた。しかし敢えてベタな油性インクを選択してテストを行なった結果、何故かビタッと決まったのだった。デザイン、キャラクターにより成功着地点が異なる事をこのTシャツを製作する事により学んだのであった。
リリースカラーはジャケットイメージからホワイト、レッド、ピンク。そしてイメージ的にはアリなのだが、今まで存在しなかったゴールドプリントに、ごく微量のラメも混入して今世紀に異彩を放つ。またサックスブルーもGBHに無かったカラーイメージだったのだが、テスト段階で素晴らしい着地となった為、新しい方向性としてリリースする事となる。
今回、FUUDOBRAINのタケシの協力により、JOCK本人と直接やり取りをする機会に恵まれた。憧れていたギタリストは非常に紳士的な人柄であり、オレは今まで以上にGBHのファンになった事は言うまでもないであろう。