Black Goat Jacket
- CODE
- OPO-000001
- PRICE
- 21,000 YEN
- FORMAT
- Jacket
- MATERIAL
- Pile
- COLOUR
- Black
Black Goat Jacket
2011年現在、服飾文化の中でのパンクという存在は健在である事をここに宣言する。それがどういう結果を招き、今後人類がどのような方向に向かおうとしていても、1%13はあの衝撃を今に伝える。
今回の製作は、わが愛すべき斜陽の大国大英帝国が誇る” kings road 430 ”に焦点をあて、同じ感覚を持ち合わせながら別の次元が垣間見られる性質の作品製作にエネルギーを注いだ。新たな提案と実用性を加え、誰も向かわなかったよりシンプルでギミックの多いデザインの再構築に馬鹿馬鹿しくも大まじめに向き合う。
王道セディショナリーズの中でも人気が高いパイルジャケット。鉄道作業員の作業着からヒントを得たとも言われており、労働者階級のモチーフでありながら中性的なイメージも含まれる近未来感のある興味深い作風だ。1940年代頃の物がオリジナルに近い形状であることは確認できており、ハリウッド映画等の銀幕でも見かける事ができる。性質上、seds信者の偏ったパンク目線で取り上げられる事が多いウエアなのだが、意外に着回しが効き、様々な場面での着用が可能となるマルチポジション的中間衣料でもある事が伺える。その一方、限りなくデザイン重視の服の為、素材が弱く ”着ていると壊れる” と言った現代衣料としてはありえない性質も持ち合わせ、中古市場に到達する前に崩壊してしまう非常に現存確率の低いウエアでもある。現在、市場に出回っている物はレプリカや状態の悪い物にも関わらず高額な価格で取引される事が多く、ご存知のように ”本物” は本来の衣料価値とは全く異なる次元に属し、博物館やギャラリーに保管/展示されたり、一部の人間のあいだで超高額な値段で取引もされている。悲しい現実としては、それらの多くのアイテムがストリートで発揮される事無く、異常な付加価値によって装されてしまっている事に見られる。1%13では”着てなんぼの服” ”無いから作る” といった、至極当たり前な理由と欲求を原点回帰とし、この不運のウエアに新たな方向性を加えパンクムーブメントの布石を第7世代のロックンロールに変換させ意識的にこの21世紀に残す。それはストリートミュージックに見られる偶発的必然性が及ぼす強い意志とエネルギー、そして最高のイマジネーションを同時に迎え入れる事となる。 そう、たかが衣料でだ!
<素材>
生地は短めの毛足で、70年代後半には存在しなかった伸縮性のあるパイル生地を採用。生地裏には接着芯を張り、着用感は柔らかいのだが腰のある質感に仕上げた。保温性、運動性は抜群に良く、独特の素材感からゴシックやサイコビリー、ダークウエーブのスタイルにも使用可能である。
<形状>
ベスト的なディティールは着丈をのばしアウター要素を強調、50年代のギャバジャンのフロントパネルを移植した。 ”LET IT ROCK” や ”TOO FAST TO LIVE TOO YOUNG TO DIE” に見られる”刹那と狂気”を意識的に再現し、本人意志によりロックンロール化する事が可能。
<フロント>
肩周りはシルエットと機能性を重視したアームホールに変更。ボタンエンドにはマジックテープを配置し、BOY的要素を強調した。クローズ時にはパーカ的なホールド感があり保温性に繋がっている。斜めのスリットポケットにはたっぷりと手が納める事が可能で、日常生活に強く作用することが期待される。弱点としては使用頻度が上がるためにパイル生地が伸びてしまう点が挙げられていたが、ベロクロテープの設置によりポケットを固定する事が可能となり、形状劣化や内容物の落下防止、固定した時のホールディングポイントにより微妙な表情変化も楽しめるよう構成されている。極めてシンプルなパーツ配置は着用者のアイデンティティーを最大限に生かす重要な要素として考え、独創的なアイデアでオリジナルな表現も可能である。胸のVゾーンは着用するインナーを生かすよう緻密に再計算されており、派手なTシャツの柄も程よくカットしてくれる。これによりコレクションとなってしまったウエア類も停止させる事無く着用する事が可能となり表現方法の幅は更に広がってゆく。
<ソデ>
ソデ口の形状はデザイン性の強いボタン無しのスタイルから、ベロクロテープを使用した形態に変更。機能性、保温性を向上させた。腕周りは細くなり、クローズ時には50’sを意識したタイトでシックな雰囲気を演出する事ができ、オープン時にはラフなガーゼシャツ的なシルエットも見られるといった表情変化を楽しむ事ができる。本体ディティールとパイル生地の質感より自由なイメージ作りが可能である。
<バックスタイル>
唯一最もオリジナルに近い部分はここであろう。特に何でもないバックスタイルではあるが、シルエットがタイトに修正変更されている。実用可能なスクエアバックルはシルバーからゴールドに変更、リッチ(ビッチ)テイストを表現する。
<コーディネイト>
ボンデージパンツ、ジップパンツをはじめ難易度の高い地球上のあらゆるパンククローズ、ブルージーンズ、ブラックジーンズ、革パン、軍パン、スラックス、短パン(!?)にまで合わせる事が可能。インナーにはTシャツ、ロンT、トレーナー、薄手のパーカ、等との相性が良く、テッズ、パンクス、ハードコア、サイコビリー、ゴシックス、サイケ、ガレージ、エレクトロ等のリアルサウンドトライブに今までに無いイメージと可能性を提案する。両腕を落とす事により、ベストとしても着用可。衣類上でのモダンプリミティブな割礼を実行する事ができる。着用時期は、秋春のアウターや、冬場のインナーとして利用可能。やからかい質感の素材は屋内でも威力を発揮する。
2年近くの歳月をかけ、莫大な資料を基に更なるイマジネーションとアイデアを追加し、修正につぐ修正で到達されたこの作品は、fuudo brainの若きパターンナー ”シュウ” の妥協の無い姿勢によって結晶化する事ができた。それは、高昇し続けたあげくストリートウエアから遠のいてしまったオリジナルパンクウエアの持つエネルギーを現代に ”再生” させる意味合いも含み、消費文化の末路に対する問題提示も同時に行なう。これより今までとは異なったアプローチや、新たなエネルギーが生み出される事を強く望む。
パンドラの箱を開けるのは誰だ?
Black Goat Jacket
【Black Goat Jacket】についてお問い合わせできます。商品の詳細な情報(色やサイズについてなど)、購入方法など。
この度は、お問い合わせ誠にありがとうございました。