2001年には構想が出来上がっていたのだが、なかなか良い柄が作れず試行錯誤を何年も繰り返し続けた結果、ようやく完成した愛すべきパターンである。”ロカビリーにはヒョウ柄があるのならパンクには鋲柄だろ!”という馬鹿馬鹿しい発想が原点となる。リアリティを出す為に自分が来ているビスジャンを無理矢理スキャナーにかけて数百パターンをサンプリングし、パズルを作るようにデザインを組み上げて行った。おかげで先代のスキャナーはビスジャンのロンドン鋲により傷だらけになってしまいお払い箱となってしまったリスキーなデザインでもある。
バンダナには4方向の角がある為、使いかたで異なったパターンを楽しんでもらおうと欲張った考えが運の尽きだった。余計な組み合わせが発生してしまいデザインの組み立てが更に複雑困難になってしまったのだった。デザイン中にはコンピュータ技術をフル活用し、繋目の無い滑らかな仕上がりも試してみたのだが、やはり作り込み過ぎはビスジャンやパンクの荒々しさ/生々しさを表現しきれずデータを全て破棄。また最初から作り直す羽目にもなった、使い手には全く関係の無いところに異常な苦労がある、恐ろしいデザインでもある。再挑戦後はあえて雑な組み合わせも意識しながら、作っては壊し、作っては壊し沸点を待ち続けた。アクセントとなるバックルやジップもビンテージな革ジャンのバックルやジッパーも試したが、チープな革ジャンのほうが何故かしっくりきたのであった。
紫色は不良が好む色でもありながら仏教色的に徳が高いと言った、前後する意味合いが選択した一番の理由である。またVIOLENTからNを引いたVIOLETは沖縄で販売されている地元タバコのバイオレットもイメージした。chelseaでzymoticsのメンバーがお土産にくれたタバコがきっかけだ。地獄と化した第二次世界大戦末期や普天間問題等、いまだに軍事問題にさらされている沖縄の側面に触れるきっかけとなってくれたらリリースした意味が成就する。
バンダナ本体は専門の工場で染色/製造されている為、非常に使い勝手が良く、表裏合わせて8方向の角によるデザインが楽しめる。首に巻いたり、ケツポケットから出したり、頭に巻いたり、様々な表情で使用が可能。吸水力も優れているため大判のハンカチとして使用もできる
現在までに3色のカラーリリースを行なって来たが最終章としては、最も販売が危惧されている”赤ジャン”のリリースを考えている。周りからは”売れないから止めろと”言われているのだが国産パンクとしてどうしても寄りたい寄り道として80年代のアイドル”近藤真彦”のギンギラギンにさりげなくの歌詞をフューチャーしたいからであった。”赤い革ジャン引き寄せ~恋のバンダナ渡すよ~”(30年経った今でも何の事か良くわからんが、わからないぐらいが良い物である)もちろんこれを読んでいる読者はシンコーミュージックから借り受けたDISCHARGEのTシャツ&BOYの白ZIPパンツを履いたマッチの勇士をしっかり覚えている事であろう。そこにはある意味LAMAのTV LIVEに通ずる瞬間が存在し、もし辿り着けたならそこはフィンランドへの入り口となる。そしてオレは無謀な挑戦をして初めてわかる”痛み”も知るのであろう。