One Pound Lighter
- CODE
- OPA-000011
- PRICE
- Not for sale
- FORMAT
- Others
- MATERIAL
- Plastic
- COLOUR
- Various
One Pound Lighter
全てはここから始まった。
バンド活動が以前に比べ出来にくくなった状況下(はっきり言うが別にやめていない/常時メンバー募集中。興味があったらメールくれ)何かアクションを起こしたく考えた抜いた結果、自分一人で出来る事はデザインによる表現方法しか残されていないという事に気がついたのであった。CHELSEAも無くなり、生きてゆく為に別の仕事をしなければならない環境に代わり、新しい事を始める余力は全く無かったのだが、SDSの曲作りに使用していた愛用のリッケンバッカーを売って軍資金を作るという残酷な方法だけは唯一残されていた。売るべきか、売らないべきか、ハムレットにも似た究極の選択に何日も頭を悩やませていた。何故なら、その愛用のリッケンバッカーは、10代の頃モーターヘッドに魅せられ、水道の配管工として稼いだ小銭を、コツコツと貯めてやっと手に入れた正真正銘、”本物”の品だったからだ。その昔名古屋ハックフィンで見た”ASS FORT"のベーシストが使っていた”青色”のグレコンバッカー(もしくはフェルナンバッカー)に強い衝撃を受け購入する決断に至った経緯もあり、偏狭の地、美濃加茂唯一の楽器店 ”加茂ブラザー” と言う、もとはブラザーミシンの取扱店から楽器屋に進化し、更に輸入物のビンテージを扱う店へと発展した、田舎では貴重な楽器店で購入したという理由もあったからだ。そしてビンテージとはいえ、” ほぼ外国製の中古品 ”といった極めて曖昧なセレクトで当たり外れが極端に多い中、見事、非常にコンディションの良い74年頃のチェッカーバインディングが施されたミッドナイトブルーの超スペシャルなリッケンバッカーベースの入手に成功したからだった。実際、本職ベーシストSDSのヒデも同様のベースを同じ店で購入したのだったが断然オレのベースのほうが良い音がしていたと思う。ただ、これは溢れ出す強烈な思い入れと思い込みの為に起きた妄想/錯覚なのかもしれない事をここに記述しておく。そんな、複雑な思いの詰まった大事なベースを売った金で、さあ一体何が出来るんだ!?と揺れに揺れたが、何もせずダラダラしているより自分の思いを結晶化させ、新しい活路を開いた方が絶対良いに決まっているという結論に達し、札幌のビンテージ楽器屋に潔く売っぱらい、1%13はスタートラインに立ったのであった。
作ったデザインは大好きなロンドンに思いを馳せて、好き勝手に描いたイメージだった。action manは2008年に渡英した時、カムデンのあの消失してしまったカナルマーケットの出来事を描いてみた。帰国直前に最後のカムデンを楽しんでいた時の話だ。まあ特に掘り出し物も無い昨今、折角だから使い勝手のいいお土産ジャージでも買って行こうと思い、15ポンドの安い”camden"ジャージを購入したのだが、その次の週末に何と不審火からそのマーケットが大火事にて消失してしまったのだった。オレにとってそのジャージはカナルマーケット最後の品となり、ジャージにとっては生死の境から脱出してきた、生かされるべき運命のお土産ジャージとなり、その状況は、危機から脱出できるお守りになると悟り(勘違いし)スポーツウエアはアクティブに動く“actionman"とタイトルした。よく見てもらうとカムデンの地図の上に大火事になった現場の写真がコラージュされている。もう片方のデザインは、"PEEP SHOW"とタイトルし、その後向かったSOHOの情景と春節に沸くCHAINA TOWNの底力とSIDの相方NANCYにつなげてみた。どちらも自分にとって毎日良く使うもので、そのちっぽけな安物ライターに必要以上のマテリアルを込め丁寧に作り上げたデザインだ。また不審火の可能性にもなる善悪両方の存在にもなっている。多分ここまで使い捨てライターのデザインにエネルギーを注ぐバカもそういないであろう。しかしその極めて小さい物にでも最大限のエネルギーを注ぎ込む事と、そこに辿り着くまでのプロセスと、ちょっとお馬鹿な所が、物凄く大事な事と1%13は考える。不審火は放火か不始末なのか?カナルマーケットの中央にあった昔からずーっと古マーチンを販売していた、全くやる気のないじいさんが辺り構わずシケモクを吸っていたのだが、それが今回の原因ではないのか?とエレクトリックのhideki manと推理していたのだが、結局ロンドン市警でも今だ原因がわからず、迷宮入りの事件となっている。山積みになったTシャツ、古着、売れ残りのお土産、etc etc,勢いよく燃え上がった事を想像するのは容易いはずだ。youtubeでcamden market fire 2008 とでも検索すれば出てくるだろう。その後カナルマーケットはしばらく閉鎖されており、4年後に再生される事となる。
ライターは2種類のデザインで5色展開していた。ケース購入するとオリジナル台紙が付属し、裏面にペーパークラフトがついてくる。販売時はポンドレートでお願いしていたのだが、利率が悪い商品のくせに、あまりにめんどくさい作業が付随するので、結果的に200円で販売される事となった。
ちなみにライターは作ったもののどこで売ったら良いか、どのように進めて良いのかを全く考えておらず、しばらくは自分で使うのみだった。また残った金でオープンシャツを極少量作ってみたり、海外でモヘアセーターを作ってみたりしたが、いずれも不発に終わり、その後名古屋のショップに取り扱いをお願いに行く度に、どんどん貯金は目減りしてゆき、あと少しでゼロの状態になりそうになった時、BLACK BOOTS岩前に出会う事となるのである。
1%13はそうした中、ロンドン、パンク、ロックンロールへの屈折した拘りと、偏った嗜好を原動力に、全ての地下音楽への最大限の愛と敬意を背景に立ち上がった表現方法であり、安直なロックテイストのアパレルと混同される事を非常に嫌う。
One Pound Lighter
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